モニターヘッドホンとは?DTMに必要な理由
DTMで曲を作るとき、「普通のヘッドホンで聴いてるけど、モニターヘッドホンって必要?」と思っている方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ミックスやマスタリングを自分でやるなら、モニターヘッドホンは必須です。投稿主はSONY MDR-7506とMDR-M1STの2台を使い分けていますが、リスニング用ヘッドホンとの違いに最初は驚きました。
リスニング用ヘッドホンとの違い
リスニング用ヘッドホンは音楽を「気持ちよく聴く」ために低音をブーストしたり、高音をキラキラさせたりと、メーカーが味付けをしています。
一方、モニターヘッドホンは音を「正確に聴く」ために設計されており、フラット(原音に忠実)な周波数特性が特徴です。ミックスで各楽器の音量バランスやEQの効き具合を正確に判断するには、この「味付けのない音」が不可欠です。
リスニング用ヘッドホンでミックスすると、低音が出すぎたり、ボーカルが埋もれたりと、他の再生環境で聴いた時にバランスが崩れる原因になります。
モニタースピーカーとの使い分け
理想的にはモニタースピーカーとモニターヘッドホンの両方を使うのがベストです。ただし、自宅の防音環境が完璧でない場合は、モニターヘッドホンが主役になります。
- モニターヘッドホン:細部の確認(ノイズ、パンニング、リバーブの残響など)に最適。深夜でも作業可能。
- モニタースピーカー:全体のバランス、低音の量感、空間的な広がりの確認に最適。
投稿主も自宅では主にヘッドホンで作業し、最終チェックでスピーカーを使うスタイルです。まずはモニターヘッドホン1台あれば、DTMの作業環境は大きく改善します。
DTM用モニターヘッドホンの選び方【7つのポイント】
① 密閉型と開放型の違い|用途で選ぶ
モニターヘッドホンには大きく分けて密閉型と開放型(オープン型)の2種類があります。
| 項目 | 密閉型 | 開放型 |
|---|---|---|
| 音漏れ | 少ない | 多い |
| 遮音性 | 高い(外の音が聞こえにくい) | 低い(外の音も聞こえる) |
| 音の広がり | やや狭い | 自然で広い |
| 低音 | しっかり出る | やや軽め |
| 長時間の装着 | 蒸れやすい | 通気性が良い |
| おすすめ用途 | レコーディング・宅録 | ミックス・マスタリング |
最初の1台なら密閉型がおすすめです。レコーディング時にマイクに音が漏れない、どこでも使える、といった汎用性の高さが魅力。ミックス専用に2台目を買う時に開放型を検討しましょう。
② 周波数特性(フラットな音が重要な理由)
モニターヘッドホンを選ぶ最も重要な基準が周波数特性です。「5Hz〜40kHz」のように表記されますが、この数値よりも「フラットかどうか」が重要です。
フラットな特性のヘッドホンは、低音から高音まで均一に再生します。これにより、ミックス時に「低音を盛りすぎた」「ボーカルが引っ込んでいる」といった判断ミスを防げます。
③ インピーダンスと感度の見方
インピーダンス(Ω)が高いほど、十分な音量を出すためにアンプの出力が必要です。DTM用途なら16〜80Ω程度がオーディオインターフェースで問題なく鳴らせます。250Ω以上のモデルはヘッドホンアンプが必要になる場合があります。
感度(dB)は音量の取りやすさ。数値が高いほど同じ入力で大きな音が出ます。90dB以上なら一般的なオーディオインターフェースで十分です。
④ 装着感と重量|長時間作業の快適さ
DTMの作業は数時間に及ぶことが多いため、装着感は音質と同じくらい重要です。投稿主のMDR-M1STは音質は素晴らしいものの、長時間使うと耳が痛くなるのが唯一の弱点です。
重量は300g以下が快適ライン。イヤーパッドの素材(ベロア、合皮、本革)も装着感に大きく影響します。可能であれば店頭で試着することをおすすめします。
⑤ リケーブル対応かどうか
ケーブルが着脱できるモデルなら、断線しても交換できるため長く使えます。またカールコードとストレートコードを使い分けられるのも便利です。
⑥ 接続端子(ミニプラグ・標準プラグ)
オーディオインターフェースは6.3mm標準プラグ、スマホやPCは3.5mmミニプラグです。両方に対応した変換アダプター付きモデルを選ぶと便利です。投稿主がMDR-7506を気に入っている理由の一つが、この端子の切り替えが簡単にできる点です。
⑦ 予算の目安|価格帯別の特徴
- 〜1万円:入門用。DTMの第一歩には十分。ATH-M20xが定番。
- 1〜3万円:本格派。このクラスを選べば長く使える。MDR-CD900STやATH-M50xなど業界標準が揃う。
- 3万円以上:プロ仕様。音の解像度が一段上がる。ミックスの精度を上げたい人向け。
【エントリー】1万円以下のおすすめモニターヘッドホン
まずは1万円以下で手に入る入門モデルから。「まずは試してみたい」という方に最適です。
CLASSIC PRO CPH7000|約3,000円の超コスパ入門機
サウンドハウスのプライベートブランド「CLASSIC PRO」のモニターヘッドホン。約3,000円という破格の価格ながら、モニターヘッドホンの基本を押さえた音質です。「モニターヘッドホンがどんなものか試してみたい」という方の最初の1台に。
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Audio-Technica ATH-M20x|エントリー帯の大定番
約7,700円で手に入る、入門モニターヘッドホンの大定番。オーディオテクニカのMシリーズの中で最もリーズナブルなモデルです。フラットで癖のない音質は価格以上。折りたたみ可能で持ち運びにも便利。DTM入門者に最もおすすめできる1台です。
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AKG K240 Studio|プロも使うセミオープンの名機
約7,800円で手に入る半開放型(セミオープン)のモニターヘッドホン。密閉型にはない自然な音場の広がりが特徴で、長時間の作業でも疲れにくいです。多くのスタジオで使われてきた歴史ある名機。ただし音漏れするため、レコーディング時のモニターには向きません。
【スタンダード】1〜3万円のおすすめモニターヘッドホン
本格的にDTMに取り組むならこの価格帯。業界標準と呼ばれるモデルが揃っており、長く使える1台が見つかります。
SONY MDR-7506|★投稿主イチオシ!世界標準のモニターヘッドホン
投稿主が最も気に入って使っているヘッドホンです。
MDR-7506はSONYが誇る世界的なスタジオモニターヘッドホン。海外のレコーディングスタジオやテレビ局で圧倒的なシェアを持つ定番中の定番です。
投稿主が気に入っているポイントは「端子の切り替えの手軽さ」。標準プラグ(6.3mm)とミニプラグ(3.5mm)の変換アダプターがネジ式で付属しており、オーディオインターフェースにもPCにも直接挿せます。作業環境を選ばない汎用性は、宅録DTMerにとって大きなメリットです。
音質はクリアで解像度が高く、各楽器の分離がしっかり聴き取れます。デメリットとしては若干低音が弱い印象がある点。ベースやキックの量感を正確に判断したい場合は、MDR-M1STなど低音に強いモデルと併用するのがベストです。
SONY MDR-CD900ST|日本の音楽業界の標準機
日本のレコーディングスタジオに行けば、ほぼ確実に置いてある国内業界標準のモニターヘッドホン。プロが使っている音をそのまま聴ける安心感があります。中高域の解像度が非常に高く、ボーカルの細かなニュアンスを聴き取るのに最適。ただし低音はやや控えめで、装着感は好みが分かれます。
Audio-Technica ATH-M50x|世界で最も売れたスタジオヘッドホン
海外のDTMerやプロデューサーに最も人気のあるモニターヘッドホン。バランスの良い音質と優れた装着感が両立しています。日本のMDR-CD900STに対して、海外のATH-M50xと言われるほどの定番。折りたたみ可能でリケーブルにも対応しており、実用面でも優秀です。
Austrian Audio Hi-X20|AKGの血を引く新定番
かつてのAKGのエンジニアたちが立ち上げたオーストリアのメーカー。フラットで自然な音質と軽量な装着感が評価されています。密閉型ながら開放型に近い自然な音場感が特徴。新しいブランドながら、プロの評価が急上昇中です。
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Shure SRH840A|フラットさに定評のある実力派
マイクメーカーとして名高いShureのモニターヘッドホン。非常にフラットな周波数特性で、ミックスの基準機として信頼されています。イヤーパッドが大きく長時間でも快適。リケーブル対応で長期間使えます。
YAMAHA HPH-MT8|バランスの良さと高解像度
楽器メーカーYAMAHAならではのバランスの取れた音質設計が魅力。密閉型ながら音場が広く感じられ、各楽器の定位が把握しやすいです。レコーディングからミックスまで幅広く使える万能モデル。
【ハイエンド】3万円以上のおすすめモニターヘッドホン
ミックスの精度をさらに上げたい方、2台目のヘッドホンを探している方向けのハイエンドモデルです。
SONY MDR-M1ST|投稿主も使用!CD900STの正統後継機
投稿主がMDR-7506と併用しているヘッドホンです。
MDR-CD900STの事実上の後継モデルとして登場。最大の魅力は「とにかく音質が良い」こと。特に低音の表現力が素晴らしく、ベースやキックの質感まで正確に聴き取れます。MDR-7506では若干弱いと感じる低音域を、M1STはしっかりカバーしてくれます。
ただし正直に言うと、長時間の装着で耳が痛くなるのが唯一の弱点。側圧がやや強めで、2〜3時間以上の連続使用には向きません。投稿主は「細部の確認はM1ST、長時間作業はMDR-7506」と使い分けています。
AKG K712 PRO|広大な音場でミックスが捗る開放型
開放型モニターヘッドホンの定番。スピーカーで聴いているかのような広い音場が最大の特徴です。各楽器の定位や空間的な配置が自然に把握でき、ミックスの精度が大きく向上します。軽量で装着感も良好。ミックス用の2台目として最有力候補です。
Audio-Technica ATH-R70x|驚異の軽量210gの開放型
わずか210gという驚異的な軽さの開放型モニターヘッドホン。長時間のミックス作業でも全く疲れを感じません。音質はフラットで繊細、解像度も高い。ただしインピーダンスが470Ωと高いため、ヘッドホンアンプが必要な場合があります。
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SONY MDR-MV1|ソニー初の開放型スタジオモニター
ソニーが満を持して投入した初の開放型スタジオモニターヘッドホン。360 Reality Audioにも対応し、空間オーディオのミックスにも使えます。フラットでありながら音楽的にも気持ちよく聴ける絶妙なバランス。装着感も非常に良好で、密閉型MDR-M1STとの使い分けに最適です。
Beyerdynamic DT 990 PRO|海外エンジニア愛用の開放型
ドイツの老舗Beyerdynamic社の開放型定番モデル。明瞭な高音と正確な低音が特徴で、海外のミキシングエンジニアに愛用者が多いです。ベロア素材のイヤーパッドが快適で、長時間の使用でも蒸れにくいのもポイント。
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NEUMANN NDH 30|スピーカーメーカーが作る最上位開放型
スタジオモニタースピーカーで世界的に有名なNEUMANNが手がける開放型ヘッドホン。モニタースピーカーに最も近い音場感を実現しており、ヘッドホンでのミックスの精度を極限まで高めたい方に。価格は高いですが、それに見合う圧倒的な解像度と音場表現です。
【用途別】こんな人にはこのヘッドホン
宅録・レコーディングにおすすめ(密閉型)
おすすめ:SONY MDR-7506(★投稿主イチオシ)/ ATH-M50x
レコーディング中はマイクに音が漏れないよう密閉型が必須。MDR-7506は端子の汎用性が高く、どんな環境でもすぐに使えます。音質と使い勝手のバランスが最高です。
ミックス・マスタリングにおすすめ(開放型)
おすすめ:AKG K712 PRO / SONY MDR-MV1
音場が広い開放型は、各楽器の配置や空間処理を正確に判断できます。ミックスの精度を一段上げたい中級者以上の方に。
DTM初心者に最初の1台としておすすめ
おすすめ:ATH-M20x(予算優先)/ SONY MDR-7506(コスパ最強)
予算を抑えたいならATH-M20xで十分。もう少し出せるならMDR-7506が長く使えて間違いありません。投稿主の経験上、最初の1台に投資する価値は大いにあります。
【比較表】おすすめモニターヘッドホン スペック一覧
| 機種 | 価格帯 | タイプ | 特徴 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|---|
| SONY MDR-7506 | 約15,000円 | 密閉型 | ★投稿主イチオシ。端子切替が便利 | ★★★★★ |
| ATH-M20x | 約7,700円 | 密閉型 | 入門定番。コスパ最強 | ★★★★★ |
| AKG K240 Studio | 約7,800円 | 半開放型 | 自然な音場。名機 | ★★★★☆ |
| CLASSIC PRO CPH7000 | 約3,000円 | 密閉型 | 超低価格入門機 | ★★★☆☆ |
| SONY MDR-CD900ST | 約15,000円 | 密閉型 | 国内業界標準 | ★★★★☆ |
| ATH-M50x | 約20,000円 | 密閉型 | 世界的ベストセラー | ★★★★☆ |
| Austrian Audio Hi-X20 | 約20,000円 | 密閉型 | AKGの系譜。新定番 | ★★★★☆ |
| Shure SRH840A | 約25,000円 | 密閉型 | フラットさに定評 | ★★★★☆ |
| YAMAHA HPH-MT8 | 約25,000円 | 密閉型 | バランス良好 | ★★★★☆ |
| SONY MDR-M1ST | 約34,000円 | 密閉型 | 投稿主使用。低音が素晴らしい | ★★★★★ |
| AKG K712 PRO | 約35,000円 | 開放型 | 広大な音場 | ★★★★☆ |
| ATH-R70x | 約48,000円 | 開放型 | 驚異の210g軽量 | ★★★★☆ |
| SONY MDR-MV1 | 約52,000円 | 開放型 | ソニー初の開放型 | ★★★★☆ |
| Beyerdynamic DT 990 PRO | 約35,000円 | 開放型 | 海外エンジニア定番 | ★★★★☆ |
| NEUMANN NDH 30 | 高価格帯 | 開放型 | スピーカーに近い音場 | ★★★★☆ |
モニターヘッドホンでよくある質問(FAQ)
Q. ヘッドホンだけでミックスしても大丈夫?
可能ですが、注意が必要です。ヘッドホンは左右の音が完全に分離して聴こえるため、スピーカーで聴いた時と印象が変わることがあります。特にリバーブの量やパンニングのバランスは、最終チェックでスピーカーやイヤホンでも確認することをおすすめします。とはいえ、プロでもヘッドホンメインでミックスしている人は多いので、良いモニターヘッドホンがあれば十分なクオリティの作品は作れます。
Q. 密閉型と開放型、どちらを先に買うべき?
最初の1台は密閉型がおすすめです。レコーディング時にも使えるし、周囲に音漏れしないので場所を選びません。ミックスの精度を上げたくなった段階で、2台目として開放型を追加するのが理想的なステップアップ方法です。
Q. モニターヘッドホンは普段使いにも使える?
使えますが、最初は物足りなく感じるかもしれません。リスニング用ヘッドホンと比べて低音の迫力や高音のキラキラ感が控えめです。ただし「原音に忠実な音」に慣れると、逆にリスニング用の味付けが気になるようになります。
Q. ワイヤレスヘッドホンはDTMに使える?
DTM用途では非推奨です。Bluetooth接続はレイテンシー(遅延)が発生するため、リアルタイムのレコーディングやミックス作業には向きません。DTMでは有線接続のモニターヘッドホンを使いましょう。
まとめ|自分の用途と予算に合った1台を選ぼう
15機種のDTM用モニターヘッドホンを紹介しました。最後に予算別のおすすめをまとめます。
- 予算3千円 → CLASSIC PRO CPH7000でまず体験
- 予算8千円 → ATH-M20xが入門のベスト
- 予算1.5万円 → SONY MDR-7506(★投稿主イチオシ)
- 予算2万円 → ATH-M50xで世界基準の音を
- 予算3万円以上 → MDR-M1ST(密閉型)or AKG K712 PRO(開放型)
投稿主が最もおすすめするのはSONY MDR-7506です。端子の切り替えが簡単、クリアな音質、そして何より「どんな環境でもすぐ使える」汎用性が最強。MDR-M1STとの2台持ちで低音もカバーできれば、自宅のDTM環境は完璧です。
モニターヘッドホンは「音を正しく聴く」ための投資です。良いヘッドホンがあれば、ミックスの精度が上がり、作品のクオリティが確実に変わります。ぜひ自分に合った1台を見つけてください!


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