
DTMを始めたいんですけど、いきなり高いDAWを買うのは不安で…。無料で本格的に作曲できるソフトってないんですか?

あるよ。「Cakewalk by BandLab」っていう、元々は10万円以上したプロ用DAW「SONAR Platinum」の後継ソフトが、今は完全無料で使えるんだ。Windowsユーザーなら一度は触ってほしい本物のDAWだよ。
「DTMを始めたいけど、最初から有料DAWを買うのは怖い」「無料DAWは機能が制限されすぎていて使い物にならないのでは?」――そんな悩みを抱える初心者にこそ知ってほしいのが Cakewalk by BandLab(現:Cakewalk Sonar)です。
本記事では、Cakewalk by BandLab とは何か、メリット・デメリット、インストール方法、基本的な使い方、付属プラグイン、そして他の無料DAWとの違いまで、2026年最新版の情報を初心者向けに完全網羅で解説します。読み終えたあと、すぐにあなたのPCで作曲を始められる状態になることを目指しました。
Cakewalk by BandLab とは?無料で使える本格DAW
Cakewalk by BandLab(ケークウォーク・バイ・バンドラボ)は、シンガポールに本社を置く音楽SNS企業 BandLab Technologies が無料で配布している Windows 専用 DAW(Digital Audio Workstation)です。元々は米国 Cakewalk 社が開発し、約10万円で販売されていたプロ仕様の DAW「SONAR Platinum」を母体としており、その全機能をほぼそのまま無料で使えるという衝撃的な内容になっています。
2024年にはブランド再編が行われ、Cakewalk by BandLab は「Cakewalk Sonar」へ正式に移行しました。本記事では「Cakewalk by BandLab」という名称が広く使われている事情を踏まえて、現行の Cakewalk Sonar と従来版の両方の情報を併せて解説します。
SONAR Platinum がそのまま無料化された経緯
Cakewalk 社は2017年に親会社(Gibson)の方針転換により事業を停止し、SONAR シリーズの開発・販売は終了しました。しかし2018年、BandLab Technologies が Cakewalk の知的財産を買収。同年5月、SONAR Platinum とほぼ同等の内容を「Cakewalk by BandLab」として無料公開したのです。これが「無料なのに本気のDAW」と呼ばれる理由です。
対応OSと動作環境
| 項目 | 推奨スペック |
|---|---|
| OS | Windows 10 / 11(64bit版) |
| CPU | Intel Core i5(第6世代以降) / AMD Ryzen 5 以上 |
| メモリ | 8GB以上(16GB推奨) |
| ストレージ | 本体3GB+プロジェクト用に20GB以上 |
| 画面解像度 | 1280×800以上 |
| 必要環境 | BandLabアカウント/インターネット接続 |
注意点として、Cakewalk by BandLab は macOS 非対応です。Mac ユーザーで無料DAWを探している方は、Apple 公式の「GarageBand」を選ぶことになります。
Cakewalk by BandLab のメリット5つ
①トラック数・録音時間が無制限
多くの無料DAWはトラック数や録音時間に制限がありますが、Cakewalk by BandLab には一切の制限がありません。バンドサウンドの本格レコーディングからEDM、オーケストラまで、思いついたフルアレンジをすべて1プロジェクト内で完結できます。
②プロ仕様のミキサー「ProChannel」を搭載
各トラックに、コンプ/EQ/テープサチュレーション/コンソールエミュレーションなどを組み込んだ ProChannel が標準搭載されています。これは旧 SONAR Platinum の上位機能で、サードパーティ製プラグインを買わなくてもアナログコンソールに近い質感を得られます。
③64bit浮動小数点演算による高音質
内部処理が 64bit double precision で行われるため、ミックス段階で音質が劣化しにくく、マスタリング前の段階でも繊細なダイナミクスを保てます。これは Pro Tools や Studio One Professional 級の処理品質です。
④充実した標準付属プラグイン
Sonitus FX Suite(EQ・コンプ・リバーブ・ディレイ・マルチバンドコンプ等)、TTS-1(マルチティンバー音源)、SI シリーズ(ピアノ・ベース・ドラム・ストリングス)など、追加購入なしで作曲〜ミックスを完結できる30種類以上のエフェクト/音源がバンドルされています。
⑤完全無料・課金要素なし
BandLabアカウントの登録だけで、機能制限・期間制限・透かし表示なし。商用音源の制作・配信もすべて自由です。サブスクや課金で機能解放というビジネスモデルではなく、純粋に無料で配布されています。
Cakewalk by BandLab のデメリット3つ
①Windows 専用(macOS 非対応)
これが最大のデメリットです。Mac ユーザーは利用できません。Mac で無料DAWを探している方は GarageBand、もしくは無料版の Studio One Prime を検討することになります。
②日本語の公式情報が少ない
UIは日本語化に対応しているものの、公式マニュアルや BandLab のサポート窓口は基本的に英語です。トラブル時は個人ブログや YouTube の解説動画に頼る場面が多くなります(本記事のようなガイドが頼られる理由でもあります)。
③将来的なサポート方針が不透明
2024年に Cakewalk Sonar への移行が行われ、開発体制は再構築されています。ただし、有料サブスク版「BandLab Membership」も登場しており、無料版がいつまで現状のまま提供されるかは保証されていません。今のうちにダウンロードしておくことをおすすめします。
他の無料DAWとの比較表
| DAW | OS | トラック数 | 商用利用 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Cakewalk by BandLab | Windows のみ | 無制限 | 可 | SONAR Platinum 直系の本格派 |
| Studio One Prime | Win / Mac | 無制限 | 可 | VST非対応・付属プラグイン少なめ |
| GarageBand | Mac のみ | 255 | 可 | Apple純正、直感的UI |
| Tracktion Waveform Free | Win / Mac / Linux | 無制限 | 可 | 独特のシングル画面UI |
| LMMS | Win / Mac / Linux | 無制限 | 可 | オープンソース、打ち込み特化 |
表のとおり、Windows ユーザーにとっては Cakewalk by BandLab が頭ひとつ抜けた選択肢になります。詳しい DAW 全体の選び方は 【2026年版】DAWの選び方完全ガイド|初心者向け比較&付属プラグインまで徹底解説 でも解説していますので、合わせてご覧ください。
Cakewalk by BandLab のインストール方法
手順①:BandLab アカウントを作成
BandLab 公式サイト(www.bandlab.com)にアクセスし、メールアドレスまたは Google/Facebook アカウントで無料登録します。Cakewalk のダウンロードには BandLab アカウントへのサインインが必須です。
手順②:BandLab Assistant をダウンロード(旧バージョン)/Cakewalk 公式サイトで直接DL(現行)
従来は「BandLab Assistant」というランチャー経由でインストールしていましたが、現行の Cakewalk Sonar は www.cakewalk.com から直接インストーラーをダウンロードできます。
手順③:本体のインストール
ダウンロードしたインストーラーを起動し、画面の指示に従ってインストールします。本体だけで約3GBの容量を使用します。インストール先のドライブには10GB以上の空き容量を確保しておきましょう。
手順④:初回起動とアクティベーション
初回起動時に BandLab アカウントでサインインを求められます。アクティベーション後はオフラインでも使用可能ですが、定期的(30日に1回程度)にオンラインでのライセンス確認が必要です。
Cakewalk by BandLab の基本的な使い方
プロジェクトの新規作成
起動画面の「Start Screen」から「Empty Project」または用途別テンプレート(Vocal Recording、Band、EDMなど)を選んで作成します。テンプレートを使えばオーディオインターフェースの入出力やトラック構成が自動で組まれるので、初心者はテンプレートから始めるのがおすすめです。
トラックの作成と録音
左側のトラック一覧で右クリック→「Insert Audio Track」または「Insert Instrument Track」で新しいトラックを追加します。録音は「R(録音待機)」ボタンを押してから、画面下のトランスポートにある赤い録音ボタンで開始します。
MIDIの打ち込み(ピアノロール)
インストゥルメントトラックを作成し、付属音源「TTS-1」または「SI-Drum Kit」などを立ち上げて、ピアノロール画面で MIDI ノートを書いていきます。鉛筆ツールでクリックすればノート入力、ドラッグで長さ調整、shiftキーを押しながら複数選択といった操作は他のDAWと共通です。
ミックスとエフェクト適用
各トラックの「FX」スロットからプラグインを挿入できます。EQ・コンプ・リバーブの3点セットは Sonitus FX Suite で十分。よりアナログ感のある質感が欲しい場合は ProChannel をオンにしてコンプとEQを通します。詳しいミックス手順は 【2026年版】ミックスのやり方完全ガイド も参考になります。
書き出し(バウンス)
メニューの「File」→「Export」→「Audio」を選び、書き出し範囲・ファイル形式(WAV/MP3/FLAC等)・ビット深度・サンプルレートを指定して書き出します。ストリーミング配信用には「44.1kHz / 16bit WAV」、マスタリング前提なら「48kHz / 24bit WAV」が標準的な設定です。
Cakewalk by BandLab に付属している主要プラグイン
ProChannel(コンソールエミュレーター)
QuadCurve EQ、PC4K S-Type Compressor、PC76 U-Type Compressor、Tube Saturation、Console Emulator など、ミックスに必須の機能が一体化されたモジュール群。各トラックのインスペクター下部からワンクリックで起動できます。
Sonitus FX Suite
Equalizer、Compressor、Multiband、Reverb、Delay、Gate、Phase、Modulator、Surround、WahWah という10種類のエフェクト集。地味な見た目ですが、CPU負荷が軽くクオリティも高いため、現役のプロも常用しています。
TTS-1(マルチティンバー音源)
Roland 系のGM2準拠音源で、ピアノ/ストリングス/ドラム/ベース/ブラスなど128音色+ドラムキットが収録されています。本格音源には及びませんが、デモやアイデアスケッチには十分使えます。
SI シリーズ(インストゥルメント)
SI-Bass Guitar、SI-Drum Kit、SI-Electric Piano、SI-String Section の4種類の専用音源。TTS-1 よりも音質が良く、特に SI-Drum Kit はバンドものの仮歌や打ち込みデモで実用レベルです。
Cakewalk by BandLab で作曲するときの注意点
外部VSTプラグインの追加方法
「Edit」→「Preferences」→「File – VST Settings」から、外部VSTプラグインを格納したフォルダを追加できます。Plugin Boutique や各メーカー公式から無料/有料プラグインをインストール後、必ずVSTスキャンを実行してください。プラグインの購入手順については Plugin Boutiqueの買い方ガイド で詳しく解説しています。
オーディオインターフェースの設定
本格的に録音するなら、オーディオインターフェース(AIF)の導入が必須です。「Edit」→「Preferences」→「Audio – Devices」でASIOドライバを選択し、入出力デバイスを指定します。AIF 選びは 【2026年版】DTM用オーディオインターフェースおすすめ7選 を参考にしてください。
プロジェクトのバックアップ
Cakewalk のプロジェクトは「.cwp」または「.cwb(Bundle)」形式で保存されます。重要な楽曲は「.cwb」形式で保存しておくと、オーディオファイルやプラグイン設定もまとめてバックアップされ、別PCに移しても再現性が保たれます。
Cakewalk by BandLab に関するよくある質問(FAQ)
Q. 商用利用や音楽配信に使っても大丈夫ですか?
A. 問題ありません。Cakewalk by BandLab で制作した楽曲は、Spotify/Apple Music/TuneCore等での配信、CD販売、YouTube収益化など、すべて自由に商用利用できます。
Q. 旧 Cakewalk by BandLab と現 Cakewalk Sonar はどちらを使うべき?
A. これから新規にインストールするなら、最新の Cakewalk Sonar(無料版)を選ぶのがおすすめです。中身はほぼ同じですが、最新OSへの対応や軽微なバグ修正が継続されています。
Q. オーディオインターフェースなしでも使えますか?
A. 使えます。標準で「ASIO4ALL」または Windows 標準の WDM/WASAPIドライバ経由で動作します。ただし録音や低レイテンシーのMIDI演奏をしたい場合は、専用のオーディオインターフェース+ASIOドライバが必須です。
Q. 動作が重いときの対処法は?
A. ①バッファサイズを大きくする(256〜512)、②使っていないプラグインをフリーズ/バウンスする、③ProChannel ではなく軽量な Sonitus 系を使う、の3点が定番の対処法です。それでも厳しければメモリの増設(16GB以上)を検討しましょう。
Q. 有料DAWに乗り換えるタイミングはいつ?
A. 「曲を完成させる工程に詰まる原因がDAWの機能不足ではなくなったとき」が目安です。Cakewalk で半年〜1年ほど作曲を続けて、Mac環境が必要になった、サンプル素材ベースの制作スタイルに変わった、より洗練されたUIが欲しくなった――こうした変化が出てきてから Studio One や Cubase、Ableton Live への移行を検討するのが合理的です。
まとめ|Cakewalk by BandLab で無料DTMを始めよう
Cakewalk by BandLab(現 Cakewalk Sonar)は、「無料DAWの中で間違いなく最強クラス」と言える存在です。Windows ユーザーであれば、まずはこの DAW から DTM をスタートして、不満が出てから有料DAWを検討する流れが最もコスパに優れています。
- 本格的なミックスができるProChannel/Sonitus FX が標準搭載
- トラック数・録音時間・商用利用すべて無制限
- ただし Windows 専用、日本語サポートは個人ブログ頼み
- ダウンロードは BandLab アカウント登録だけでOK
DTM 全体の始め方を整理したい方は 【2026年版】DTMの始め方完全ガイド|初心者が最初の1曲を完成させるまでの手順を解説 を、機材選びから始めたい方は 【2026年版】宅録初心者が「失敗しない」機材選び完全ガイド も合わせて読んでみてください。

「無料だから機能が制限されている」のが世間の常識だけど、Cakewalk はその常識を完全にひっくり返した存在。ダウンロードしておいて損はないから、まずは触ってみよう。


コメント