
バラードやシネマ風のトラックにストリングスを入れたいんですけど、DAW付属だとなんか打ち込み感が強くて…。リアルなストリングス音源って高いイメージがあるんですが、無料でも使えるやつってあるんですか?

実は無料でも「Spitfire BBC Symphony Orchestra Discover」みたいにプロが本気で使えるレベルのストリングス音源があります。ポップス向けの刻み系、映画音楽のロング系、ソロのビブラート表現まで、用途で選ぶのがコツ。今日は無料・有料合わせて10本を用途別に紹介しますね。
バラード・劇伴・ゲーム音楽・ポップスのバッキング…DTMで「生々しいストリングス」が欲しくなる場面は想像以上に多いもの。しかしストリングス音源はライブラリごとに得意分野がまったく違うため、選び方を間違えると「容量50GB使ったのに楽曲に馴染まない」という悲劇が起きがちです。本記事では2026年時点で実戦投入できるストリングス音源10本を、無料・有料の両方から厳選して紹介します。
- ストリングス音源とは?DTMで使う意味
- ストリングス音源の選び方|失敗しない5つのポイント
- 【無料】ストリングス音源おすすめ3選
- 【有料】ストリングス音源おすすめ7選
- 4. Native Instruments Session Strings Pro 2(約27,000円)
- 5. Spitfire Audio BBC Symphony Orchestra Core(約75,000円)
- 6. Cinematic Studio Strings(約449USD)
- 7. EastWest Hollywood Strings Diamond(約50,000円〜/Composer Cloud X)
- 8. VSL Synchron Strings Pro(約695EUR)
- 9. Audio Modeling SWAM Solo Strings Bundle(約399EUR)
- 10. Orchestral Tools Berlin Strings(約799EUR)
- ストリングス音源 徹底比較表|価格・容量・特徴
- 用途別おすすめの選び方
- ストリングス音源を活かすミックスのコツ
- ストリングス音源の購入方法|最安値で買うコツ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|ストリングス音源は用途で選ぶのが正解
ストリングス音源とは?DTMで使う意味
ストリングス音源(ストリングスVST)は、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスなどの弦楽器を、ソフトウェア上で再現するプラグイン音源です。生のオーケストラを収録したサンプリング方式が主流で、レガート(滑らかな繋ぎ)・スタッカート(短く切る)・ピチカート(指弾き)・トレモロ(震わせる)など奏法ごとに別レイヤーが用意されています。
ポップスやヒップホップのバッキングで「厚み」を足す用途から、映画・ゲーム音楽の主役としての劇伴用途まで、使いこなせば楽曲の品格が一段上がる音源カテゴリです。
ストリングス音源の選び方|失敗しない5つのポイント
① 用途(ジャンル)に合うタイプを選ぶ
ポップス・EDMのバッキングならリズミックなショート系(Session Strings系)、映画音楽やゲームBGMならシネマティック・ロング系(Spitfire / Cinematic Studio)、クラシックやバラードのソロならソロストリングス専門音源(SWAM)と、得意分野で選び分けるのが鉄則です。
② アーティキュレーション(奏法)の豊富さ
レガート・スタッカート・スフォルツァンド・マルカート・ピチカート・トリル・トレモロ・sul ponticello(駒寄りで弾く奏法)など、収録奏法の数が表現力に直結します。キースイッチで素早く切り替えられる音源ほど打ち込み効率が高いです。
③ サンプリング方式 vs モデリング方式
多くのストリングス音源はサンプリング方式(実演奏を録音)を採用しており、リアリティは抜群ですが容量が30〜200GB規模になります。一方モデリング方式(Audio Modeling SWAM)は物理モデルで生成するため軽量で、ビブラート深さやボウイング圧などをリアルタイムに動かせるのが特徴です。
④ 必要なサンプラー(Kontakt / 独自プレイヤー)
EastWest系は独自のOpus、Spitfireは独自のプレイヤー、Orchestral Tools系はSINE Player、NI系はKontakt/Kontakt Playerで動作します。Kontaktの有無で手持ちのライブラリが使えるかが決まるので、環境を把握してから選びましょう。
⑤ CPU負荷とSSD容量
Hollywood Strings Diamondは約150GB、BBC SO Professionalは約570GB超と大容量。内蔵SSDがカツカツなら外付けNVMe SSDを1本用意するのが現実的です。ノートPC中心の方はDiscover(無料)やSession Strings Pro 2(軽量)など小容量系から始めるのがおすすめ。
【無料】ストリングス音源おすすめ3選
1. Spitfire Audio BBC Symphony Orchestra Discover(無料)
ロンドン交響楽団の収録で有名なSpitfire Audioが無料配布している入門版の決定版。弦5セクション(1st Vn / 2nd Vn / Va / Vc / Cb)に加え、木管・金管・打楽器まで含むフルオーケストラ構成で、容量はわずか200MB前後と軽量。奏法は長音・短音・ピチカートの基本のみですが、音質は有料級で「とりあえず最初の1本」に最適です。
2. Spitfire Audio LABS Strings(無料)
Spitfireが継続的にリリースしている無料シリーズ「LABS」に含まれるストリングス音源群。Scary Strings / Strings / Soft Piano Stringsなど、実験的で独創的な音色が揃います。劇伴やアンビエント系でテクスチャとして使うと非常に効果的。全て完全無料でレジストレーションのみでDL可能です。
3. Versilian Studios VSCO 2 Community Edition(無料)
Kontakt Player / 独自プラグイン対応のオーケストラ音源無料版。ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスのソロとアンサンブル両方が含まれ、レガートやスタッカートの基本奏法を網羅しています。音質はシンプルですが、MIDI打ち込みの練習や簡易的なデモ制作には十分使えます。
【有料】ストリングス音源おすすめ7選
4. Native Instruments Session Strings Pro 2(約27,000円)
ポップス・R&B・ヒップホップのバッキングに最強のリズミック系ストリングス。アニメーター機能で「タタタタ」と刻むような16分音符のパターンをワンキーで鳴らせるため、作曲家のアイデア出しから実戦投入まで一貫して使えます。Kontakt Player対応で導入も簡単。Komplete Standard以上にもバンドルされています。
5. Spitfire Audio BBC Symphony Orchestra Core(約75,000円)
Discoverの上位版。奏法バリエーションが大幅に拡充され、レガート・スタッカート・スフォルツァンド・トレモロ・ピチカート・sul ponticello等を網羅。19人編成の1stヴァイオリンから8人のコントラバスまで実在のBBCシンフォニーオーケストラを収録しており、劇伴制作のメインに据えても全く不足を感じさせません。
6. Cinematic Studio Strings(約449USD)
オーストラリアのCinematic Studio Seriesが展開する映画音楽向けの決定版。なめらかなレガート、温かみのあるトーン、”AIR Studios”を思わせる壮大な響きが特徴で、ハンス・ジマー系からJohn Williams系まで幅広く対応します。同シリーズのCSSS(ソロ)・CSB(金管)と組み合わせるとフルオーケストラを構築可能。
7. EastWest Hollywood Strings Diamond(約50,000円〜/Composer Cloud X)
ハリウッド映画の現場で実際に使われ続けるハリウッドサウンドの代名詞。収録量が圧倒的で、奏法のバリエーションは業界トップクラス。サブスク型のComposer Cloud Xに加入すれば月額約3,500円で他のHollywood Orchestra系と合わせて使えるのでコスパが良いです。独自のOpusエンジンで動作し、ループ処理も搭載しています。
8. VSL Synchron Strings Pro(約695EUR)
ウィーン・シンフォニック・ライブラリの最新フラッグシップ。ウィーン・シンクロンステージで録音され、クラシック・現代音楽・劇伴すべてに対応する万能型。Synchron Playerによる直感的なミキシングが可能で、クローズ/ミッド/フロント/メインマイクを自在にブレンドできます。Chamber Strings版もラインナップ。
9. Audio Modeling SWAM Solo Strings Bundle(約399EUR)
サンプリングに頼らず完全な物理モデリング方式でストリングスを再現する革新的音源。容量はわずか数百MB、CPU負荷も軽量で、ビブラート深さ・ボウイング速度・表現パラメータをMIDI CCでリアルタイムに操れます。ソロヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスの4本セット。MIDIブレスコントローラーと相性抜群です。
10. Orchestral Tools Berlin Strings(約799EUR)
ドイツ・ベルリンのTeldex Studioで収録されたヨーロッパサウンドの金字塔。プロ映画音楽家からの支持が厚く、特にレガートの自然さは他の追随を許しません。独自のSINE Playerで動作し、Berlin Brass / Woodwinds / Percussionと組み合わせるとフルオーケストラ環境が完成。CAPSULEシステム以来のアーティキュレーション管理も洗練されています。
ストリングス音源 徹底比較表|価格・容量・特徴
| 製品名 | 価格 | 容量 | 得意ジャンル | エンジン |
|---|---|---|---|---|
| BBC SO Discover | 無料 | 約200MB | 全ジャンル入門 | Spitfire Player |
| LABS Strings | 無料 | 各200MB前後 | アンビエント/劇伴 | Spitfire Player |
| VSCO 2 CE | 無料 | 約800MB | デモ/練習用 | Kontakt Player |
| Session Strings Pro 2 | 約27,000円 | 約18GB | ポップス/R&B | Kontakt |
| BBC SO Core | 約75,000円 | 約37GB | 劇伴/映画音楽 | Spitfire Player |
| Cinematic Studio Strings | 約449USD | 約50GB | シネマティック | Kontakt |
| Hollywood Strings Diamond | サブスク中心 | 約150GB | ハリウッド系劇伴 | Opus |
| Synchron Strings Pro | 約695EUR | 約150GB | クラシック/劇伴 | Synchron Player |
| SWAM Solo Strings | 約399EUR | 数百MB | ソロ/室内楽 | モデリング |
| Berlin Strings | 約799EUR | 約130GB | 欧州劇伴/クラシック | SINE Player |
用途別おすすめの選び方
ポップス・バラードのバッキングが中心なら
Session Strings Pro 2が第一候補。刻み系フレーズが得意で、MIDIで数小節打ち込むだけでポップスのストリングスアレンジが完成します。予算を抑えるならBBC SO Discoverのロングノートを重ねるだけでも十分対応可能です。
映画・ゲーム・劇伴音楽なら
最初の1本はBBC SO CoreまたはCinematic Studio Strings。どちらも劇伴の即戦力で、レガートの美しさが段違いです。サブスク派ならEastWest Composer Cloud XでHollywood Stringsを含むフルオーケストラを月額運用するのも現実的な選択肢。
クラシック・室内楽のリアリズム重視なら
VSL Synchron Strings ProとBerlin Stringsの2択。サンプリングの精度とマイクポジションの自由度はこの2社が業界最高峰。ソロ楽器のリアリズムならSWAM Solo Stringsを併用するとビブラート表現まで完璧に制御できます。
ストリングス音源を活かすミックスのコツ
せっかく高品質なストリングス音源を使っても、ミックスが雑だと価値が半減します。特に気をつけたいのはEQでの中域処理とリバーブの選び方の2点。
EQは200〜400Hzの濁りをマイナス2〜3dBほどカットし、8〜12kHzの倍音を軽く持ち上げるのが定石。リバーブはホール系(Valhalla Room、FabFilter Pro-R 2)を深めにかけるとオーケストラらしい一体感が出ます。詳しい使い方はEQプラグインおすすめ10選やValhalla VintageVerb vs FabFilter Pro-R 2徹底比較で解説しています。
ストリングス音源の購入方法|最安値で買うコツ
海外製のストリングス音源はPlugin Boutique経由で買うと、定期的なセールとVirtual Cashによる実質割引で最安値になることが多いです。Spitfire・Native Instruments・Orchestral Tools系は特にセール頻度が高く、ブラックフライデーや夏のサマーセールで50%オフになることも珍しくありません。購入手順はPlugin Boutiqueの買い方ガイドにまとめています。
EastWest系はサブスク型の「Composer Cloud X」(月額約3,500円)が圧倒的にお得。Hollywood Orchestra一式を月額運用できるため、「劇伴をやるか迷っている」段階ならまずサブスク、ハマったら買い切り版に移行が賢い選び方です。
よくある質問(FAQ)
Q1. Kontaktを持っていなくても使えますか?
A. 音源によります。Spitfire系(BBC SO・LABS)は独自プレイヤーなのでKontakt不要。EastWestもOpus、VSLもSynchron Player、Orchestral ToolsはSINE Playerとそれぞれ独自プラグイン対応です。逆にNative InstrumentsのSession Strings Pro 2やCinematic Studio StringsはKontakt Full版が必須(Kontakt Playerのみでは起動不可)なので購入前に確認必須です。
Q2. 無料音源だけで仕事として通用しますか?
A. BBC SO Discoverは音質が極めて高く、ミックスと打ち込み次第でデモ段階の仕事なら十分通用します。ただし奏法が基本的なものだけなので、表現力のある楽曲制作では有料音源に分があります。プロ現場ではCinematic Studio Strings / BBC SO Core / Hollywood Strings / Berlin Stringsのいずれかが定番です。
Q3. ストリングス音源はPCスペックが必要ですか?
A. サンプリング系はSSD速度と搭載メモリが重要です。BBC SO Coreで最低16GB、フル編成で24〜32GB推奨。ストレージは音源を入れる分とは別に内蔵SSDに2〜3割の空きを確保しましょう。SWAM Solo Stringsのようなモデリング系なら軽量で、ノートPCでも快適に動作します。
Q4. ストリングス音源にリバーブは元から含まれていますか?
A. ライブラリによって異なります。BBC SO CoreとCinematic Studio Stringsは録音時のホールの残響が自然に含まれているため、追加リバーブは控えめで充分。逆にSession Strings Pro 2は比較的ドライに録音されているので、後段でリバーブを足す前提です。マイクポジション切替機能がある音源(VSL系・Hollywood Strings系)は、ドライ/ウェットをミックスで調整できます。
Q5. 打ち込みでリアルに聴かせるコツは?
A. ①ベロシティをランダムに揺らす(±10〜20)②CC1(モジュレーション)でダイナミクスを手書きで描く③レガート奏法のタイミングを10〜30ms遅らせる④各セクションの発音を数10msずつずらすの4つが基本です。特にCC1のオートメーションは全ストリングス音源に共通の「リアルさの源泉」なので、DAWでマウス描きする習慣をつけましょう。
まとめ|ストリングス音源は用途で選ぶのが正解
ストリングス音源は、ジャンル・用途・環境によって最適解が大きく変わる音源カテゴリです。まずは無料のSpitfire BBC SO Discoverで打ち込みに慣れ、用途が見えてきたらジャンルに合った有料音源に投資する、という段階的な進め方が失敗しないコツ。ポップスならSession Strings Pro 2、劇伴ならBBC SO CoreまたはCinematic Studio Strings、クラシック寄りならVSL Synchron Strings ProやBerlin Strings、ソロ表現重視ならSWAM Solo Stringsと、本記事の価格帯別まとめを基準に選んでみてください。
併せて読みたい関連記事:ピアノ音源おすすめ10選 / ドラム音源おすすめ12選 / リバーブプラグインおすすめ10選


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