
DAWで歌を録ろうとしたら、自分の声が少し遅れてヘッドホンから聞こえるんです…。キーボードを弾いても音が遅れるし、これって故障ですか?

故障じゃないことがほとんどだよ。その遅れをレイテンシーって言うんだ。バッファサイズとドライバーの設定でかなり直せるから、メーカー公式の説明で順番に見ていこう。
先に結論(2026年11月1日・Focusrite・Steinberg・Image-Line公式で確認)
- レイテンシー=音がパソコンで処理されて聞こえるまでの遅れ。主な原因はバッファサイズとオーディオドライバー
- 録音するとき:バッファサイズをできるだけ小さく。プチプチ音が出たら少し上げるか、プラグインを減らす(Focusrite公式)
- ミックスするとき:遅れは問題にならないので大きくしてよい(Focusrite公式)
- Windowsは「ASIO」ドライバーを使う。オーディオインターフェースのメーカー純正ASIOがいちばん。なければ汎用ASIO(Steinberg built-in ASIO Driver・ASIO4ALLなど)
- MacはCore AudioのためASIOは不要(Steinberg公式)。FL Studioの公式マニュアルはApple Siliconなら128サンプルからを推奨
レイテンシー(音の遅れ)とは?
レイテンシーは、マイクやMIDIキーボードから入った音が、パソコンで処理されてスピーカーやヘッドホンから出るまでの時間の遅れです。パソコンは音を少しずつためて(バッファ)まとめて処理するので、ゼロにはなりません。数ミリ秒なら気になりませんが、10ミリ秒を大きくこえると「遅れている」と感じやすくなります。
遅れの大きさを決める主な要素は、バッファサイズ(ためる量)とドライバー(パソコンとオーディオ機器をつなぐソフト)です。
バッファサイズとは?小さい・大きいでどう変わる?
Focusrite公式は、バッファサイズを「パソコンがオーディオインターフェースの音を処理するために与えられる時間」と説明しています。小さくすると遅れは減りますが、パソコンの負担が大きくなり、プチプチ・ブツブツ音や音切れが起きやすくなります(Focusrite公式)。
| バッファサイズ | 遅れ | パソコンの負担 | 向いている作業 |
|---|---|---|---|
| 小さい(例:64〜128サンプル) | 少ない | 大きい(音切れしやすい) | 歌・ギターの録音、MIDIキーボードの演奏 |
| 中くらい(例:256サンプル) | ふつう | ふつう | 打ち込み・軽い録音 |
| 大きい(例:512〜1024サンプル以上) | 多い | 小さい(安定する) | ミックス・マスタリング、プラグインをたくさん使う時 |
目安の計算:バッファのサンプル数 ÷ サンプルレート = 1回分の時間です。たとえば256サンプル÷48,000Hz=約5.3ミリ秒。実際には入力と出力、機器の処理が加わるので、DAWに表示される合計の遅れはこれより大きくなります。
録音とミックスで切り替えるのが基本
- 録音のとき:できるだけ小さく。クリック音やプチプチが出たり、DAWがエラーを出したら、バッファを上げるか、エフェクトやトラックを減らす(Focusrite公式)
- ミックスのとき:遅れはほぼ関係ないので、いちばん大きい設定でもよい。プラグインを足してもプチプチが出にくくなる(Focusrite公式)
- 決まった正解はない:Focusriteも「トラック数やプラグインで変わるので特定の値はおすすめしない」としている

録るときは小さく、混ぜるときは大きく、ですね!



そう。録音の時だけ重いプラグイン(リバーブやマスタリング系)をオフにしておくと、小さいバッファでも安定しやすいよ。
ドライバーも大事:Windowsは「ASIO」を使う
ASIO(Audio Stream Input/Output)は、Steinbergが開発したオーディオドライバーの規格です。Steinberg公式は「有名なオーディオインターフェースのメーカーはすべて対応し、Windowsのプロ向けオーディオソフトのほとんどが、遅れの少なさもあってASIOを必要としている」と説明しています(Steinberg公式)。
| ドライバー | おすすめ度 | 説明 |
|---|---|---|
| メーカー純正のASIO | ◎ | オーディオインターフェースのメーカーが配っているドライバー。いちばん遅れが少なく安定(Steinberg・Image-Lineともに純正を推奨) |
| Steinberg built-in ASIO Driver | ○ | ASIO非対応のパソコン内蔵の音源などで使える無料の汎用ドライバー。Windows 10(64bit)・11。バッファサイズは固定で変えられない |
| ASIO4ALL | ○ | FL Studioに同梱される汎用ASIO。複数の機器の入出力をまとめて使える |
| FL Studio ASIO | △ | Windowsのオーディオの上で動くソフトのASIO。ほかのアプリの音も同時に鳴らせるが、遅れは純正より大きめで、録音の位置がずれることがある(Image-Line公式) |
Image-Line公式は、選ぶ順番を「純正ASIO > ASIO4ALL > FL Studio ASIO」としています(FL Studio公式マニュアル)。Steinberg built-in ASIO Driverは、古いGeneric Low Latency ASIO Driverの後継で、Steinberg公式は「Macは Core Audioがあるので ASIOドライバーは不要」と書いています。
DAW別:バッファサイズの変え方
- FL Studio:メニューの「Options > Audio settings」(F10)。Windowsは「Show ASIO panel」からバッファを変える。公式は10ミリ秒(441サンプル)を目標に、Intel・AMDは10〜20ミリ秒、Apple Siliconは128サンプルから始めて足りなければ192・256…と上げる、と案内(公式)
- Cubase:「スタジオ > スタジオ設定」のオーディオシステムでASIOドライバーを選び、「コントロールパネル」からバッファを変える
- Logic Pro・GarageBand(Mac):環境設定(設定)の「オーディオ」で入出力のバッファサイズを選ぶ
- Focusriteなどのインターフェース:Windowsではメーカーの設定ソフト(ドライバーのコントロールパネル)で変える場合がある(Focusrite公式)
メニューの名前はバージョンで少し変わります。DAW選びから迷っている人はDAWの選び方完全ガイドも見てください。
それでも遅れる・プチプチするときのチェックリスト
- パソコン内蔵のイヤホン端子・Bluetoothイヤホンを使っていないか:Bluetoothは遅れが大きいので、録音は有線のヘッドホンで
- オーディオインターフェースのダイレクトモニターを使う:入力の音をパソコンを通さずにヘッドホンへ返す機能。多くの機種にある(オーディオインターフェースおすすめ)
- 重いプラグインを録音中だけオフ:リバーブ・マスタリング系・先読みするリミッターなどは遅れが増えやすい
- ドライバーを最新に:Steinberg公式もメーカーの最新ASIOドライバーをすすめている
- ほかのアプリを閉じる:ブラウザや通話アプリがオーディオを使っていると不安定になることがある
- FL Studioの「Underruns」:再生中にプチプチが聞こえて、この数が増えていたらバッファ不足のサイン(公式)
よくある質問
Q. オーディオインターフェースがないとダメですか?
パソコン内蔵の音源でも汎用ASIOで動かせますが、遅れや音質の面で、録音するならオーディオインターフェースがあると安心です。マイクを使うなら基本的に必要です(オーディオインターフェースの選び方)。
Q. サンプルレートを上げると遅れは減りますか?
同じサンプル数のバッファなら、サンプルレートが高いほど1回分の時間は短くなります。ただしパソコンの負担は増えます。Focusrite公式は、人の耳で聞こえる範囲なら44.1kHz・48kHzで十分と説明しています。
Q. オートチューンをかけながら歌うと遅れます
ピッチ補正のプラグインは処理が重く、遅れが出やすいです。バッファを小さくして、リアルタイム向けの軽いモードを使ってください。ピッチ補正の選び方はピッチ補正プラグインおすすめで比べています。
まとめ
- 音の遅れ(レイテンシー)はバッファサイズとドライバーで決まる
- 録音はバッファを小さく、ミックスは大きく
- Windowsはメーカー純正のASIOドライバーを使う。なければ汎用ASIO
- Macはドライバーの心配はほぼ不要。FL Studioなら128サンプルから試す
- Bluetoothイヤホンは避け、インターフェースのダイレクトモニターを活用
この記事の調べ方・情報源
Focusrite・Steinberg・Image-Lineの公式サポートページとマニュアルを2026年11月1日の深夜(日本時間)に読み、書かれていることをもとにまとめました。数値の目安はメーカーの記載と計算によるもので、環境によって変わります。情報の整理と下書きにはAIの支援を使い、内容は公式ページと照らし合わせて確認しています。
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