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結論
- オートチューンを「声の音色」として広めたのは、Cher「Believe」(1998年)とT-Pain。
- 海外ではKanye West(『808s & Heartbreak』)、Travis Scott、Lil Uzi Vert、Futureなどがよく名前を挙げられます。
- 日本ではPerfume(中田ヤスタカ)、KREVA、Tohjiなどが、本人の発言や音楽メディアで確認できます。
- アーティストの実際の設定は非公開がほとんど。ただ「キーを合わせて補正を速くする」という基本は同じなので、スマホの無料アプリやPCのプラグインで近い声は作れます。
最終更新日:2026年10月31日この記事では、本人の発言・報道・音楽メディアなど出典を確認できた例だけを載せています。

ラッパーの声のケロケロって、誰がはじめたの?日本だと誰が使ってる?

出典で確認できる人だけに絞って紹介しますね。最後に「あの声に近づける設定」とソフトもまとめます。
そもそもオートチューンとは(30秒で)
Auto-Tuneは、米Antares社が1997年に発売したボーカル用のピッチ補正ソフトです。開発者のAndy Hildebrand氏は、石油探査で使っていた信号処理の技術を声の音程の検出・補正に応用した、とAntares公式は紹介しています。補正を極端に速くすると、音程が階段状に切り替わる「ケロケロボイス」になります。
作り方や無料で試す方法はオートチューンとは?ケロケロボイスの作り方で詳しく解説しています。
オートチューンを使っている海外アーティスト
海外の代表例は、Cher・T-Pain・Kanye West・Travis Scott・Lil Uzi Vert・Futureなど。それぞれ出典とあわせて紹介します。
| アーティスト | 代表的な曲・作品 | 出典 |
|---|---|---|
| Cher | 「Believe」(1998年) | NPR |
| T-Pain | 「Hard&B」と呼ぶ歌とラップの中間スタイル | Berklee、NYLON |
| Kanye West | 『808s & Heartbreak』 | Rolling Stone |
| Travis Scott / Lil Uzi Vert | —(T-Pain以降のスタイルを多用) | Berklee |
| Future | 多くの曲で使用 | NYLON(The Faderを引用) |
Cher:「Believe」でエフェクトとしての使い方が広まった
NPRは、1998年10月19日に発売されたCherの「Believe」を「Auto-Tuneを楽器のように使った最初のヒット曲」と紹介しています。もともと「目立たないように音程を直す」ための道具だったAuto-Tuneを、わざと極端にかけて機械的な声にしたのがポイントです。
T-Pain:オートチューンを自分の「声」にした
Berklee(バークリー音楽大学)の記事によると、T-PainはJennifer Lopez「If You Had My Love」でさりげなく使われていたAuto-Tuneを聞き、その道具を2年かけて探したそうです。そこから歌とラップをまぜた「Hard&B」というスタイルをつくり、ブレイクしました。
NYLONのインタビュー(2018年)では、開発者のHildebrand氏のもとを訪ねて仕組みを学んだことも語っています。
Kanye West:『808s & Heartbreak』
Rolling Stone(2009年)は、Kanye Westを「この技術の最も有名なユーザーの一人」とし、その例としてアルバム『808s & Heartbreak』を挙げています。
Travis Scott・Lil Uzi Vert
前出のBerkleeの記事は、T-Painが広めたスタイルが「ジャンルを越えた主流のサウンド」になり、Kanye WestやBlack Eyed Peas、Travis Scott、Lil Uzi Vertらが多用している、と紹介しています。
Future
NYLONは、The Faderの記事を引用する形で「Beyoncé & JAY-Zの『APESHIT』や、Futureのほとんどの曲」を最近の使用例として挙げ、いまは昔よりさりげなく使われていると書いています。
メーカー(Antares)が名前を挙げるアーティスト
Antares公式サイトの会社紹介では、Cher・T-Painに加えてBon Iver、Imogen Heap、Charli XCX、Post Maloneの名前を挙げています。メーカー自身の紹介文なので、宣伝の側面がある点はふまえておきましょう。
オートチューンを使っている日本のアーティスト
日本では、Perfume(中田ヤスタカ)・KREVA・Tohjiなどが、本人の発言やメディアの記事で確認できます。
| アーティスト | 確認できる内容 | 出典 |
|---|---|---|
| Perfume(プロデューサー:中田ヤスタカ) | 声をオケになじませるためにAuto-Tuneを使用 | サウンド&レコーディング・マガジン(Real Soundで引用) |
| KREVA | KICK THE CAN CREW「クリスマス・イブ Rap」(2001年)、ソロ「希望の炎」「音色」 | TBSラジオ『アフター6ジャンクション2』(2024年11月12日) |
| Tohji | ミックステープ『t-mix』(2022年) | Mahogany Reviews |
Perfume(中田ヤスタカ):「ディレイやリバーブと一緒の感覚」
Real Sound(2019年)は、Perfumeの楽曲でのオートチューンの使用にふれたうえで、中田ヤスタカの次の発言を引用しています(初出『サウンド&レコーディング・マガジン』2010年4月号)。
「普通の声だとなじまない音楽だったので、オケに合わせるためにボコーダーとかAuto-Tuneを使うようになっただけ。いかにオケと声の一体感を出すかというだけで、ディレイやリバーブと一緒の感覚なんですよね。」
中田ヤスタカ(『サウンド&レコーディング・マガジン』2010年4月号、Real Soundより)
「ロボ声にするため」ではなく、声をトラックになじませるエフェクトとして使っている、という考え方です。
KREVA:2001年の「クリスマス・イブ Rap」から
KREVAは2024年11月12日放送のTBSラジオ『アフター6ジャンクション2』で、KICK THE CAN CREWの「クリスマス・イブ Rap」(2001年)でオートチューンを使い、そのときの自分の声がすごく好きだったと話しています。その感覚を打ち出すため、ソロ1曲目の「希望の炎」では全開で歌った、とも語っています(番組の書き起こしサイトで確認)。
Tohji:『t-mix』
海外の音楽レビューサイトMahogany Reviewsは、Tohjiのミックステープ『t-mix』(2022年)について「たっぷりのオートチューンとEDMの影響」がTohjiのフローに生命を吹き込んでいる、と評しています。
このほかにも、日本のラッパーや歌い手でオートチューンを使う人はたくさんいます。ただ、ネット上には出典のはっきりしない「〇〇も使っている」という情報も多いため、この記事では本人の発言や音楽メディアで確認できた例だけに絞りました。
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「オートチューンはダサい?」という議論
オートチューンには昔から賛否があります。有名なのが、JAY-Zが2009年に発表した「D.O.A. (Death of Auto-Tune)」。Rolling Stoneによると、アルバム『The Blueprint 3』からの最初のシングルで、Auto-Tuneを使うアーティストに「やめよう」と呼びかける内容でした。
一方で、その後もオートチューンは消えるどころか、ヒップホップやポップの定番になりました。NYLONの記事も「昔よりさりげなく、むしろ多く使われている」と書いています。中田ヤスタカの「ディレイやリバーブと一緒」という言葉のとおり、いまはリバーブと同じ「音作りの道具」のひとつと考えるのが自然です。



「ダサいかどうか」はかけ方しだい。キーが合っていないと変な音に飛んで不自然になるので、まずはキー設定をきちんとやるのが近道です。
あの声に近づける設定の目安
アーティストが実際にどんな設定を使っているかは、ほとんど公開されていません。ここでは、Antares公式ヘルプのRetune Speed(補正の速さ)の目安をもとに、近い方向性をまとめます。
| 目指す声 | 設定の方向性(目安) |
|---|---|
| Cher・T-Painのようなはっきりしたケロケロ | キー・スケールを合わせ、Retune Speedを0〜5ms(最速) |
| ラップに乗せるメロディアスな声 | 最速〜10ms前後。キーが合っていることが大前提 |
| 声をオケになじませる(さりげなく) | Antares公式は20〜30msあたりから始めるのを推奨。30〜50msで自然な補正 |
| 声を太く・高く・ロボット的に | ピッチ補正に加えてフォルマント変更やボコーダー系のエフェクトを足す |
スマホならBandLabのAutoPitchやVolocoで、無料でもこの方向性を試せます。
PCで「あの声」を作るなら(プラグイン)
スマホのアプリは手軽ですが、エフェクトの細かい調整や、曲全体のミックスまで考えるならPCのDAW+プラグインが向いています。
| やりたいこと | 向いているソフト |
|---|---|
| 定番のケロケロを元祖のソフトで | Auto-Tune(Antares公式) |
| 録りながら低レイテンシーで補正 | Waves Tune Real-Time |
| ケロケロ+フォルマント・ロボット声 | Little AlterBoy |
| 無料版から始めて、必要なら有料版へ | Graillon 3 |
Auto-Tune(Antares)
元祖のAuto-TuneはAntares公式サイトで販売されています。製品ラインアップや価格は公式で変わることがあるため、購入前に公式サイトでご確認ください(このリンクは広告ではありません)。

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よくある質問
Q. オートチューンを最初に使ったアーティストは誰ですか?
「エフェクトとして目立つ形で使ったヒット曲」としては、1998年のCher「Believe」がよく挙げられます。NPRはこの曲を「Auto-Tuneを楽器のように使った最初のヒット曲」と紹介しています。
Q. T-Painはなぜオートチューンを使い始めたのですか?
Berkleeの記事によると、Jennifer Lopez「If You Had My Love」でさりげなく使われていたAuto-Tuneに気づき、2年かけてその道具を探し当てたのがきっかけです。
Q. 日本でオートチューンを使っているアーティストは?
出典で確認できる例として、Perfume(中田ヤスタカのプロデュース)、KREVA、Tohjiなどがいます。ほかにも使っている人は多いですが、本記事では本人の発言やメディアで確認できた例に絞っています。
Q. オートチューンはダサいのですか?
JAY-Zの「D.O.A. (Death of Auto-Tune)」のような批判もありましたが、その後もヒップホップやポップで広く使われ続けています。いまはリバーブなどと同じ音作りの道具のひとつ、という見方が一般的です。
Q. アーティストと同じ声を無料で作れますか?
まったく同じにはなりませんが、キーを合わせて補正を速くすれば、近いケロケロボイスは作れます。スマホならBandLabやVoloco、PCならGraillon 3のFree Editionなどの無料ツールで試せます。
この記事の調べ方・情報源
各出典は2026年10月31日に確認しました。アーティストの使用例は、上記の出典に書かれている範囲に限って紹介しています。価格はPlugin Boutiqueの表示(日本時間)です。情報の整理と下書きにはAIの支援を使い、内容は各ページと照らし合わせて確認しています。
- NPR:25 years ago, Cher released a song that would change the sound of pop music(2023年10月19日)
- Berklee:A Sonic History of Auto-Tune According to T-Pain(2020年12月2日)
- NYLON:T-Pain Doesn’t Care What You Think(2018年12月6日)
- Rolling Stone:Jay-Z Calls For “Death Of Auto-Tune” With “Blueprint 3” Cut(2009年6月8日)
- Antares:About
- Real Sound:リズムから考えるJ-POP史 第5回(中田ヤスタカ)
- miyearnZZ Labo:KREVA カニエ・ウェストより先にオートチューンで歌うラップ曲を作った理由を語る(TBSラジオ『アフター6ジャンクション2』2024年11月12日放送の書き起こし)
- Mahogany Reviews:t-mix – Tohji
- Antares Help:AutoTune Best Practices
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